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​大手不動産A社様

この度は、弊社が10年以上に渡りダイバーシティ推進のご支援をさせていただいているB社様のダイバーシティ推進室 前責任者のK様に、これまでの弊社が関わらせていただいた取組みや、取組みが継続することによって起こった社内変化などについてインタビューをさせていただきました。

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  インタビュアー

(株)CHANCE for ONE 代表取締役 

​   清水 令奈 

     

ダイバーシティ推進室 前責任者

 K 様

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◇A社様 概要◇
 業種:不動産業
 本社:東京
 従業員数:1000 人~5000 人
 売上高:1000 億円以上

御社の女性活躍推進取組み当初の状況と取組み開始のきっかけ

​清水)

初めてお目にかかったのは、今から10 年ほど前のことです。

当時の御社の女性活躍およびダイバーシティ推進の状況について改めてお聞かせいただけますか。

​Kさま)

女性総合職を年に数人程度しか採用していなかったのですが、社会の変化に対応するため、新たにダイバーシティ推進部門が設置され、新卒総合職採用のうち50~60人を女性とする方針となりました。

当時の私はダイバーシティに関する知見もほとんどなく、また、不動産業界特有の歴史や文化風土も根強くあり、何から手をつけたら良いかと模索している状況でした。

​清水)

そこで外部の専門家に相談されることになったのですね。

​Kさま)

大手の会社を中心に複数の会社に声をかけて、女性社員向けの教育研修を実施したいと相談をしたところ「女性達、もっと頑張れ!頑張れ!」とプッシュするプログラムばかりで、すでに十分頑張っている当社の女性社員に受講させるのには違和感がありました。


そのタイミングで清水さんと接点を持つ機会があり、御社のプログラムのコンセプトを説明いただいたときに、自分の頭の中で言語化できていなかった理想の形が具現化されるような感覚を受けました。

​弊社を選んでくださったきっかけ

​清水)

具体的には、弊社の研修のどのような点が決め手になったのでしょうか?

​Kさま)

他社からは、プレゼンテーション能力アップや時間管理術など、スキルやテクニックを身につけるものばかり提案されたのですが、どれも腑に落ちませんでした。


御社からは「セルフリーダーシップ」「事実と解釈と感情を区別する方法」など、自分と他者の違いを認めた上で「他者とうまく協働する方法」を学ぶプロブラムを提案いただきました。


講師の先生にも当社の事情を理解していただき、必要な内容にカスタマイズしていただけたのもありがたかったです。私自身の理解に不安があった際も、何度も問い合わせをしましたが、納得いくまで丁寧に説明してくだったことも印象的でした。

​清水)

弊社は大手の会社に比べて規模も小さいですし、御社のような大きな組織の仕事を任
せるとなると不安もおありだったかもしれませんが、いかがでしたか。

​Kさま)

御社には規模的な不利を感じることはありませんでした。

清水さんはじめ、講師やスタッフの方々も、もともとは大きな組織で活躍された経験がおありですし、成功だけではなくて苦労された実体験も積まれていて、非常に共感と共鳴する点がありました。

​清水)

そのようなお言葉をいただき、ありがとうございます。

ダイバーシティ推進室が行ってきた取組み

​清水)

御社においては約10 年間、女性向けの教育研修を中心に関わらせていただきました。

当初は社歴の浅い女性総合職向けの研修からスタートし、数年後には中堅の女性総合職向け、そして、2022 年から管理職候補層の女性向けへと、軸足を移しながら継続して実施させて頂きました。

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​Kさま)

御社からは、女性が活躍できるような組織文化や風土にすぐ変えられるものではないと、取組み当初に言っていただきました。


第一段階では、人数ボリュームの点でマイノリティな女性総合職を受け入れる職場環境や組織文化の醸成に力を入れました。


第二段階では、女性社員にライフイベントを迎えたときの考え方について学んでもらい、男性上司の意識改革にも力を入れました。両立支援の制度なども徐々に整えていきました。


今、第三段階となり、女性管理職や中核人材を育み、その成長を支援していくフェーズです。
ここまで来るのに約10 年かかりましたが、初期の研修を受講した女性社員の中から、中堅社員、そして将来の管理職候補が着実に育っています。

今後の活動計画やご展望、皆様の思い

​清水)

この数年は女性の管理職候補の母集団を増やす取組みに注力されていますが、どのような点を心がけていらっしゃいましたか。

​Kさま)

女性活躍推進の取組み当初は、女性管理職の人数は片手で、清水さんに、例えて言うならば絶滅危惧種のような存在だと言われたのが印象的でした(笑)。

 

女性管理職候補層の育成に関しては、下駄をはかせることはしないけれども、丁寧にひとりひとりを一人別で支援するという心がけでやってきました。

10 年かけて女性管理職は約6 倍に増えましたが、2030 年の到達目標として掲げている数値の達成に向けて、今後もやれることは全てやるという気持ちです。

​清水)

社員の採用も一層に難しくなっていますね。

​Kさま)

中途社員の採用にも尽力していますが、それ以上に、社内にいる人材を中核人材に育てていくことが重要だと考えています。

ここから5 年くらいが母集団形成の観点では一番しんどい時期ですが、その後は、管理職候補となりうる女性の社員数も揃ってくる予測です。

​清水)

この10 年、K さまは、どのような思いで、女性活躍やダイバーシティ推進に取り組まれてきたのでしょうか。

​Kさま)

私が入社(男女雇用均等法世代)してから、つい5 年前までは、女性社員を取り巻く環境は正直大きく変わったとは言えませんでした。10 年前に推進活動の責任者として任命された時も、「また変わらないのでは」という気持ちもありました。

 

しかしながら、ここで変えていかないと、これまでと同じ苦労を次の世代の女性達にも味わわせてしまうことになる、それは嫌だと思いました。後に続く女性達に、しっかりとバトンを渡したいという気持ちで取り組んできた結果、今では、誰もがその実力を認める女性達が育ってきています。

 

女性の上級管理職や経営幹部が生まれるのも、時間の問題のように思います。

社内の変化、世の中の変化、弊社へ期待すること

​清水)

社内の変化についても聞かせてください。

​Kさま)

女性向けの研修以外にも管理職向けのマネジメント研修や、両立支援の社内制度を整えることも並行して行なって参りました。

 

以前は、特に男性管理職の中に、女性社員のことを「女性たち」と一括りにしたり、女性部下を持つことに抵抗感を感じる風潮もありましたが、今では、「女性」という性別の括りではなく、〇〇さんという固有名詞で語られるように変化しています。

​清水)

これまでの10 年間、さまざまな案件に関わらせて頂いて、弊社の仕事ぶりは、どのようにご覧になっていましたか?

​Kさま)

一言で言うと、当社の女性活躍を一緒に推進してくれた「同志」です。

 

当社の要望に対して、言われたことだけをやるのではなく、要望の根底にあるものを理解した上で、的確に寄り添い、提案と実行をして下さいました。常に良いものを目指そうとする姿に、高いプロフェッショナリズムを感じました。

特にコーチング力、つまり、相手から本質的な課題を引き出す力が魅力的で、それが研修にも滲み出ているように思います。尊敬と感謝の気持ちで一杯です。

​清水)

そのようなお言葉をいただき、大変嬉しく思います。


近年は、弊社で提供する教育研修は、男女問わず上司向けに、部下の多様性をマネジメントできるようになるリーダーシップの開発支援に軸足が移りつつあります。今後に向けて、弊社に期待することをお聞かせいただけませんか。

​Kさま)

世の中の企業も、女性活躍からもっと広いダイバーシティ推進に軸足が移りつつあるので、その中でも御社の良さを活かせるような役割を担って頂きたいと思います。

 

女性活躍の先に目指すのは、強くて優しい組織風土の醸成だと思いますので、御社が取り組んでいらっしゃることは世の中も求めているのではないでしょうか。

​清水)

今日はお時間をいただき、ありがとうございました。

​Kさま)

これまでは目の前の実務的な話をすることで精一杯だったので、今日はこのようなお話しができて嬉しかったです。ありがとうございました。

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